7月下旬からのべ5日間の夏のオープンキャンパスが無事終了。始まってからわかった問題点も少なくなかったが,とにかく終了。昨年度よりも1割弱,参加者が増えたのはうれしいことであり,これまでと同様に,受験や合格した後の入学につながってくれればと思う。
オープンキャンパスが積極的に開催されるようになったのは,1990年代の後半になってからのようだが,高校生が自分の目で自分が行ってみたい大学を実際に知ることのできる機会があるのは悪くない。私が大学に入ったのは1980年代はじめだったから,もちろんそのような機会はなかったし,せいぜい受験する大学の受験場は下見しておきましょう程度の認識しかなかった。私が最初に受けた大学は東京都内の3大学4学科だった。幸か不幸かどこにも入れてもらえなかった私は,その翌年には,前の年には受けなかった関西の3大学3学部と,東京ではそのうちの1大学1学部だけを受験した。もうずいぶん前の話で記憶が定かでないが,浪人したことで,自宅からより近いところ(関西)でよいと思ったのだろう。それでも,実際に受験したことで,東京のその大学には強い魅力を感じてぜひ入学したいという思いがあったのを,妙にはっきりと覚えている。そして,合格の知らせが届いたときのことも,はっきりと覚えている。そして結局その大学に入った私は,そこで学部,大学院,助手,非常勤講師として,丸20年に亘って関わり,今でも強い愛着を感じている。
もし,そのときにオープンキャンパスがあったとしても,東京の大学にはわざわざ出かけられなかったかもしれない。そして,受験して,浪人していなかったら,その大学に特別な魅力(受験したからといって,その大学のなにがわかるわけでもなく,大学そのものというよりも,その大学のある町の活力のようなものや雰囲気が,私を捉えていただけなのかもしれない)を感じることもなかったのかもしれない。そのときにオープンキャンパスがあったとしたら,私の人生はまた全く別物になってしまっていた可能性が低くない。
そう考えると,どこでもやっているからというスタンスでオープンキャンパスを開催するのでなく,受験生の人生を変える力を持つ,またその責任も担うようなものにしたいと,強く思うのである。似たような大きさ,学力レベルなどなどの大学が少なからずあり,選択肢が増えている。そのような状況にあるからこそ,自分で実際に足を運ぶことで,ひとつひとつの大学の持っている固有の魅力を直に感じて,自分に合うと感じられる大学選びの手がかりにして欲しいと思う。
親和では幸いご参加いただいた生徒さんたちからも,ご父兄からも,比較的好ましい印象を持ってもらえている。大規模校のような大人数の参加ではないにせよ(きょうは400人足らず),その中から小さくない割合の生徒さんたちが受験してくれる。これからも,来ていただいた方々に,その日だけ特別に繕ったのでなく,日常の様子を知っていただきながら,親和に魅力を感じてもらえるようにと思う。
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