NHKで面白いシリーズをやっています。NHKスペシャル・シリーズ女と男 (ちょっと前までなら男と女という題だったのかも)。最新科学が読み解く性という副題が付いています。
いわゆるウーマンリブというスローガンの下に,女性解放運動が盛んだった時代が,もう半世紀近く前のことになります。盛んでなくても,雇用機会均等をはじめとして性差の捉え方は,その運動以来大きな変化をもたらしました。
一方で,やはり女と男は違っているのだと数多く報告されるようにもなってきました。何だか,ネズミもハトもサルもチンパンジーもヒトも同じだという主張に対する反論のようにも聞こえます。また,人間は生まれながらにして平等であるというスローガンに対する反論のようでもあります。
同じとか違うという表現は,何においてという判断する側面と,その基準が明示されない限り,意味がありません。「女も男も一緒でしょ」という表現は,何だかわかったようでわからないようで,わからないようでわかるような気がします。そこには,おそらく,何が同じで何が違うかということを暗黙裏に探し出しているからかも知れません。もう少し書くなら,では男がみんな同じかといえばそれもまた,違うところもあり,同じ所もあります。日本人の男ならという表現も,さらに,20代の日本人の男,働いている20代の日本人の男,働いている20代の日本人の男,関西で,事務職で,etc.etc.・・・。どこまでいっても,一緒か違うかという話は終わりがありません。属性や経験はひとりひとり異なっていますから。
閑話休題。ここで問題になっている女と男の違いというのは,生物学的なレベルの話であり,おそらくは,胎児期から始まる性ホルモンの働きの効果の違いについての話でしょう。実はビデオに録画したまままだ再生していないのですが,Anne MoreとDavid Jesselが今から20年近く前に出版したBrainsexという刺激的なタイトルの本でも,Louann Brizendineが2~3年前に出版したThe Female Brainでも,生物学的な違い(性が理由も何もなくて生じるわけはありませんし,それが種または遺伝子の保存を結果としてもたらしていることは,現代の生物学での前提でもあります)を,どのような側面で,どのような基準で異なるかを明らかにしています。
日常的な生活の中で感じることや得ることのできる知識と,科学的にわかっていくことの違いと共通点もまた面白いテーマですが,これについては近いうちにその第1弾を覚え書きとして発表する予定です。
0 件のコメント:
コメントを投稿