
駆け足で終わらせた知能。性格と同様に,一般に考えられているものとは異なるのだということがわかってもらいたいことの本質である。とりわけ,IQが頭の良し悪しを表現するものでなく,そもそも知能検査が開発された本来の目的が何であったかをきちんと理解することはとても重要なことである。
画像に示したグールドの「人間の測りまちがい」には「差別の科学史」という副題が添えられている。古生物学者,進化生物学者,そして科学史家であったグールドには,サヴァンの息子がいたことも,こうした痛烈な論評を加える一因となっていたのかもしれない。グールドの主張を全面的に肯定することができるかどうかは議論の分かれるところだろうが,性格や知能といった,人間を何らかの形で測定することが,その使われ方によっては,誤解や偏見を生む危険性があることを,心理学を学んだ学生にはきちんと理解して欲しい。
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