2008年5月2日金曜日

神戸松蔭 学習心理学Ⅰ第4回 パヴロフ型条件づけ 獲得過程1

3度目ならぬ4度目の正直で,今年度初めての晴れの木曜日。そして,本題の条件づけの話に入っていく。

パヴロフ型条件づけは,古典的条件づけ,レスポンデント条件づけと呼ばれることもある,自律系の反応の学習の基礎過程であると同時に,近年は情報獲得の基礎過程としても扱われることがある。きょうのリアクションペーパーを読む限りでは,私の例示の仕方が望ましくなかったようで,オペラントとレスポンデントとが混同されたままのように見える。これについては,次週まず確認する予定。

「パヴロフの犬」という表現は人口に膾炙しているものの,きわめて機械的で人間の行動の基礎原理として考えるにはあまりに単純すぎるという意味を含んでしまっているように思える。一般に例示される,唾液分泌や瞬きといった反応だけでなく,感情や情動という,一般にこころの働きを考えたときにまず最初にイメージされる働きにも,大いにかかわっていることにもきづいてほしい。最初は,例示した内容から,オペラントもレスポンデントも混同してしまっても致し方ない,というよりも,日常的な私たちの行動を厳密に二分して,どちらか一方だけしか関わらないものを考えることの方が実は難しいのである。

0 件のコメント: