2008年5月8日木曜日

神戸松蔭 学習心理学Ⅰ第5回 パヴロフ型条件づけ 獲得過程2: 般化・分化・高次条件づけ

とうとうやってしまった・・・。怒る前に,叱る前にやるべきことがまだあったのかもしれない。そしてこの後味の悪さ。そんなことは理想論だとわかっていても,多くの学生に関心を持ってもらえるような授業をすべきなのだろうと思う。自己弁護すれば何度かのプロンプトを呈示しても,行動に変化が生じなければ致し方ないと言い訳をしたくなってしまう。幸いなことに,リアクションペーパーでは多くの賛同をもらえてもいるし。来週以降の授業でのよい反応を期待している。

さて,きょうの話は般化・分化・高次条件づけ,そしておまけの実験神経症。紹介した日常例に近いことを少なくない学生が経験しているとのこと。その個別の事例から,さらに一般化した般化や高次条件づけの理解が進めばと思う。

かつて思ったことの一つにこんなことがある。パヴロフ型条件づけを理解してもらうためにきちんと統制のとれた犬を使ったパヴロフ自身の実験を紹介すると,それは犬の話であって人間とは関係ないでしょという反応がある。最近試みている,人がなぜ人を好きになるのかをテーマとしてパヴロフ型条件づけのことばで説明すると,そんな単純ではないという反応とか,逆に過度に一般化してパヴロフ型条件づけは誰かのことを好きになることなんだという,比較的短絡的な理解にとどまることがある。パヴロフ型条件づけに限らず,ほとんどの心理学が扱っている内容は,個々の事例についての個々の理解でなく,一般化されうる理解なのである。授業で紹介する事例だけでなく,多くの日常例を考えてもらうことですこしでもきちんとした理解が進めばと願ってやまない。

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