日曜日のきょうは午前中からグリーン・オープンキャンパスと称した,AO入試の説明会。ミント神戸のサテライトキャンパスを会場に,AO入試を中心とした説明と個別の対応を行った。
幸いに30組近くの高校生,ご両親,高校の先生にお集まりいただくことが出来た。神戸近郊だけでなく,兵庫県内はもとより,高知県,香川県などからも参加していただいた。
以前にもAO入試について書いたことがあるが,学力試験がないことが主な理由なのか,一般にAO入試は簡単に入学できる手段と誤解されているような気がする。けれども,少しでも考えてもらえれば,たとえばセンター試験を通じての国公立の試験よりも,より丁寧な,ある意味で難しい試験形態であることに気づくことはそれほど困難でない。
話は飛躍するが,センター試験で受験校を決めることは,結婚相手を見つけるときに,その人がどのような人かが書かれた釣書だけを読んで,あるいは知り合いの誰かから話を聞くだけで決めてしまうようなものかもしれない。その人と自分との相性がどうか,実際に生活し始めたときにどのような問題が生じるか,どのように楽しむことができるかきちんと知らないままに結婚相手を決めるようなものである。そこでまず必要とされるのは,学力を磨くことである。自分と相手との関係がどうであれ,人間が持っている様々な能力のうち,学力を向上させなければ,思いを遂げることは難しい。また,AOと同様に専願である指定校推薦は,主に高校との信頼関係の上に成り立つ入試形態であり,AOのように,同じ学科の教員が複数ずつ3度に亘って面談・面接するのでなく,1度だけの面接で判定する。
誤解を招かないために,急いで付け加えなければならないが,そのような試験形態を否定しているわけではない。むしろ,ここで私が言いたいのは,一般に肯定的に受け止められている学力試験や指定校推薦などの入試形態に比べて,AO入試が軽視されすぎてはいないかという点である。
大学は,アドミッションポリシーを呈示し,親和であれば,ただ志願する生徒がそのアドミッションポリシーを満たしているだけでなく,入学後に学科を引っ張っていくような役割を期待する。今年度の心理の新入生はそのような役割をここまで十二分に果たしてくれていて,私たちが望むAO入試が実現できているのは嬉しい限りである。きょうの説明会を手伝ってくれたふたりの在学生はいずれもAOで入学した学生だが,高校生だけでなく,そのご両親などに対しても,きちんと自分が体験したことを自分のことばで説明できていたことに,私はあらためて感心した。そして,そのような学生をAO入試で選抜できていることをとても嬉しく感じることができた。
そのようなAO入試であるからこそ,本選好の最終面接に至るまで2度の話し合い(予備選考)を実施し,大学が望む受験生かどうか,受験生が望むことを大学が提供できるか,つまり,受験生の考えていることと大学が提供できることにギャップがないかをひとりひとりについて検討するのである。1度の学力試験で合否を判断するよりも,実はと言うまでもなく,AO入試は手間と時間をかけた選抜方法なのである。大学は様々な色を持った,個性を持った,目的を持った学生たちの集まる場所だが,親和には親和らしさ,言うならば私学であればどこでも持っているだろう「カラー」がある。私たちは,私たちが誇りに感じている,「親和カラー」を大切に受け継いでいきたいと考えている。そして,AO入試で親和を志す受験生は,その「親和カラー」を受け継ぐ担い手であって欲しいと期待しているのである。
きょうの初めての説明会で,親和を気に入ってくれた高校生が多かったのは私たちにとってはとても嬉しいことだが,ミントキャンパスだけでなく,鈴蘭台のキャンパスを訪れて,大学の雰囲気を知り,学科の複数の教員と直接に面談した上で,やはり親和に来たいという受験生がひとりでも多くいてくれれば,そして入学後に「ああ来てよかった」と満足してくれる学生がひとりでも多くいてくれればと願ってやまない。
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