2008年2月5日火曜日

心理学研究法 第15回 (2月4日)

小テストの2回目,研究倫理の問題を概観して今年度最後の授業が終了。学生の多くもレポート,授業もきょうが最後だったとのこと。

小テストは,これまでに比べれば簡単だったという感想が多かったみたい。できなかったからレポートがんばるというコメントもちらほらあったけれど。倫理の問題は常に難しい。人に関わることは特に難しい。難しいから,またそれが引き起こす問題が深刻になる危険性があるから,それを避けようとする傾向は,心理学の研究や応用場面に限らず,様々な場面で表面化している。小児科や産科の医師不足はその典型例だろうし,教育現場でのこどもたちの姿,親の関わりなどから,教員を志す有能な学生が少なくなりつつあるというのもその例なのかもしれない。もちろん心理学研究法がここまで拡大して議論までする必要はないのだろうが,それでも,その基盤に共通した問題があることには気づいておく必要があるように思う。

さて,予想以上にレポートの提出者が多かった。ざっと斜め読みしたところ,Aのテーマで誤解して書いている学生が何人かいた。提出された内容が仮想データのようになっているものがある。つまり,計画だけでなく,適当な結果と結論が書かれているようなものである。Aの課題はあくまで研究計画だから,自分が知りたい問題(リサーチクエスチョンと仮説で学んだことを重し出してほしい)を検討できる計画を書けば十分なのである。計画書については特に授業内で扱ってはいないが,実験実習で学んだレポートの書き方を思い出せば,それがすでに実際に行われたことか(実験レポート),これから行うことか(計画書)の違いがあるだけで,基本的な書き方は同じである。

授業の中では伝えていないので,フェアでなくなる危険性を思いながらも,この内容を読んで思い当たる人は,問い合わせてくれてもかまわないし,締め切りまでであれば,再提出してもかまわない。また,相互に周知してもらえるとありがたい。

リアクションペーパーへの回答,レポートの状況などについては,特別な問題がなければ,提出締め切り後に書くことにしたい。

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