2008年1月22日火曜日

心理学研究法 第14回 (1月21日)

隔週の授業というのは少しやりにくい。1週間という時間が生得的に意味があるとは思わないが,幼稚園に通うようになってからは1週間単位で何かが動いていくという環境に晒され続ける。それを理由にしてしまうのも短絡的との謗りを免れないが,いずれにしても1週間空いてしまうと何となくやりにくいのは実感ではある。

いつものように前回のフィードバック。卒論を書き終えた学生のリアクションペーパーには,卒論で因子分析を行い,信頼性も求めたが実は意味がちゃんとわからないまま行っていたというものがあった。卒論を書き終えたということは再履修だろうから,前回の履修時にはたまたま欠席するなどでその内容の授業を聴けていなかったのかもしれない。もし,その内容の授業を聴いていれば,卒論で因子分析をする必要が出てきて,信頼性を検討しなければならないという段階になって,そういえばあのときよく分からなかったけれど,心理学研究法の授業で聴いたことを思い出して,教科書なりプリントなり,関連の参考書に立ち戻ることができていただろう。心理学研究法の授業がそんな形ででも役に立てばと思うリアクションペーパーであった。

続いて授業評価アンケートを行い,課題レポートの説明,そして前回の妥当性・信頼性の続きを終わらせる。

きょうのリアクションペーパーに多かったのは,レポートの課題が難しそうというもの。確かにそうだろうと思うし,そのような課題にしたのは私に考えがあるためである。これまでの授業では基本的な事象を文字通り憶えることが中心になっている。なぜ憶える必要があるかは,心理学で行われている研究を理解するためである。今回準備した3つのテーマは,Aでは実際に理解を使えるかどうか,Bでは理解を踏まえて研究をきちんと読むことができるかどうか,Cはより広い意味で,心理学の研究は個々の研究の積み重ねによって最終的に人間理解に至るものであるという認識が私にあるためで,そうした背景とのつながりを理解できるかどうかを問いたいという意図がある。AとBは3回生以降のゼミにつながる課題であるし,Cはより将来的な意味も含めての課題である。さらに,これは重要なことだ(と私は思う)が,とりわけAとCには固有の正解が存在しない。

さて,Bの論文を1編選んでということだが,方法には2つある。一つは図書館に行くこと。親和でも以下のような雑誌を講読している。図書館にあるものを実際に手にとって読むことである。

家族心理学研究, 感情心理学研究, 教育心理学研究, 教育心理学年報, 
健康心理学研究, 行動療法研究, 交流分析研究, 実験社会心理学研究, 
社会心理学研究, 心理学研究, 心理学評論, 動物心理学研究, 
パーソナリティ研究, 発達心理学研究

もうひとつは,GeNii 学術コンテンツ・ポータル(国立情報学研究所)を利用して,自分に興味のある単語を使って検索することである。親和の図書館のWebページから利用できる。大学のページから付属図書館→資料をさがす→便利なツールを辿ると,その一番上に入り口が表示される。ここから入って,「論文を探す」に行けば,各大学や研究所で発行している紀要や年報なども含めて検索できる。紀要論文などではそのまま論文をダウンロードできるものもある。取り寄せをしなければならない論文を読みたいときには,図書館のカウンターまたは吉野に尋ねてくれればよい。

AとCについてはまた追って参考文献のリストをアップする。

0 件のコメント: