2008年3月17日月曜日

公開講座

昨年の7月とこの3月にそれぞれ2コマ分2回ずつ,計8コマで,行動分析学入門という公開講座を担当させていただいた。基本的には,授業で扱っている内容を,心理学を専門としない方々にわかりやすく,また使えるものという意図で構成してみた。

きょう,8, 15日の受講生の方々へのアンケート結果のまとめをいただいた(土曜日に集めたもののまとめをもう月曜日に!!)。多くの方が楽しんでくださっていたというのは私にもとても嬉しいことだった。ただ,個人的には,3回目のルール支配はまだしも,最後のセルフコントロールについては,言葉足らずのことが多々あって,最後のコマはただ作っていった資料を読むだけという,申し訳ない講座になってしまったと反省している。

言葉足らずというのは,ちょっと違っているか。つまり,行動分析学の言葉を使わないでもっと行動分析学が扱っている内容をきちんと伝えられないということなのである。セルフコントロールの定義が,「即時小強化と遅延大強化とで,後者を選択すること」というのは,行動分析学を学んだものにはよくわかるし,なぜそのような言葉を使わなければならないかも理解している。けれども,スケジュールの話も,オペラント条件づけの実験パラダイムの話も十分にしないままに,こうした表現を使うのは,受け手を無視した自分勝手なやり方である。話しはじめてはみたものの,受講生の方々の反応などからそれに気づいたときには時すでに遅し。

セルフコントロールでのもうひとつのヒントである,行動のレパートリーが乏しいのである。セルフコントロールという概念を伝える行動のレパートリーが少ないのである。と言うよりも,行動分析学の枠組みでそれ以外の伝え方を知らなかったことに,今更ながらに気づいたのである。

このような公開講座に限らず,受講生とのやりとり,受講生からいただくものがあることは,話す側の最大の好子(正の強化子)である。私が頂戴したたくさんの強化子,そしてヒントを今後に役立てることができればと思う。この場を借りて,あらためてお礼を申し上げたい。

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