2007年12月12日水曜日

心理学研究法 第11回 (12月10日)


研究デザインの2回目。今回のポイントは2つ。研究,特に実験は独立変数と従属変数の関係を調べるための方法であるが,それがうまくいくかどうかは,剰余変数の統制がきちんとできるかにかかっている。研究デザインはその統制を行うための基本的な考え方であることがひとつ。これは,剰余変数の統制の復習として役に立ってくれていればよいのだが。

もうひとつは,発達研究のような,時間(年齢)を独立変数として用いる研究方法の難しさである。これをクリアするための方法として縦断的・横断的・コーホート研究があることがもうひとつ。

授業で配布したプリントでは,正高信男の3才児と4才児の母親との関わりを扱った研究のグラフが鮮明でなかった。いつものように,ここに上げたファイルでは,もう少し見やすくなっていると思う。リアクションペーパーには,グラフの見方が難しいなどといったコメントがいくつか見られたが,研究法という授業の中で,そのようなリテラシーに関する実習を含んであげれば,実験実習で作成するレポートなどとの関連も高まって,学生のニーズに応えられるのかもしれない。来年度以降の課題としたい。

正高信男の名前を紹介したら,知っている学生がそれほど多くなかった。親和の図書館にも数多く配架されているのだが,蔵書検索で調べてみたところ,2~3冊が貸し出し中になっているだけだった。授業で紹介した,画像にある「ことばの誕生」も現時点では貸し出し可の状態である。一般向けにやさしく書かれているが,内容自体は興味深いものが多くあるように感じる。時間を見つけて読んで欲しい。研究自体のイメージももう少しつきやすくなるかもしれない。

ちなみに,ことばの誕生に関して,正高信男が生命誌研究所に書いたものがウェッブ上で閲覧できるが,これについてはまた稿を改める。

さて,来週は第1回小テスト。前回の授業で話したように,11月19日に実施したものは無効としているから,今回が第1回。前回分を含まずに,以下が範囲。

第7回 (11月12日) 剰余変数の統制.pdf
第8回 (11月19日) 小テスト・剰余変数の統制2(ファイルは次回)
第9回 (11月26日) 剰余変数の統制2.pdf ・観察法の導入まで(ファイルは次回)
第10回 (12月3日) 非実験的方法 観察法.pdf
第11回 (12月10日) 研究デザイン.pdf

つまり,剰余変数の統制,非実験的方法(観察法),研究デザインの3つがテーマである。なお,観察法で扱った,行動のサンプリング方法については出題しない。

残りの4回の最後にもう一度小テストを実施し,今回と合わせて40点満点。別途レポートを30点満点で出題して,当初予定の出席点30点,小テスト70点の代わりとする。

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