2010年4月21日水曜日

心理学(共通教育) 第3回 性格 その2

性格の2回目。自分に直接関わっていたり,きょうだいとの関係や親との関係など体験的に感じることができる内容であるためか,きょうは理論的な内容だったのだけれど,楽しんでもらえたみたい。

性格はおそらく心理学が扱っている数多くのテーマの中でも,きちんと理解しようとすると最も難しいものの1つだろう。というのは,自分が体験的に感じる内容と,心理学が明らかにしてきた内容とに,小さくないギャップがあるためである。あらためて言うまでもなく,血液型と性格の関わりについてはある調査研究によれば6割くらいの学生が何らかの関係があると「信じている」という。一方で心理学が明らかにしてきたのは,その関わりのなさと,バーナム効果に代表される,「なぜそんなことを信じてしまうのか」ということ。行動分析学の言葉を使えば,話題となっているところに参加できるという正の強化と,否定することがたとえば空気を読めないといった(これまた意味のない)反応によって正の罰を受けるという社会的な強化・罰によって制御されていると説明はできる。出生順位と性格,親の養育態度と性格,親の性格と子の性格などなど,日常的に問題にされることは枚挙にいとまはないが,さてうずたかく積み上げられてきた研究成果はと眺めてみると,結局ネガティブデータしかなさそうである。

たぶん,私たちが日常的に性格を考えるとこに重要なこと,とりわけ他者と関わる際に気をつけた方がよいのは,ステレオタイプ的な理解も含めて,その人の性格にレッテルを貼ってしまわないことなのかもしれない。

今年度から始めた学習記録(といっても,リアクションペーパーを順次綴じていくだけだけれど)をファイリングしてもらうために,バインダーとファスナー配布したりで,時間を取ってしまい,予定していた知能はホントにさわりだけとなった。そのため,授業で使ったファイルのアップロードはありません。

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