2008年7月3日木曜日

ちょっとおめでたいこと


あまり書きたくない日々が続いていたのだけれど,ちょっとおめでたいことは書いておきましょう。7月1日は150周年。この写真のSir Charles Darwinが,Alfred Russel Wallacesと共同(と言っても,両名ともその場は欠席していたのだそうだが)で,進化論のアイディアをThe Linnaean Society of Londonで発表したのが1858年の7月1日。Darwinがいなくても,やがて進化論は新しい生物学を率いることになったのだろうが,誰がその始祖であったとしても進化論的な考え,とりわけ変異と選択(Variation and Selection)無くしては,行動分析学も生まれようはなかった。古典的行動主義であるWatsonの機械的連合論にも,刺激と反応との媒介過程(今の認知心理学などの基盤である)を探る新行動主義にも,Skinnerの言う変異と選択は含まれていない。

そのSkinnerが亡くなって,もう18回目の夏を迎えようとしている。彼の基本的な考え,そして行動分析学に基づく活動が変異と選択を経て,さて,最終的に淘汰されてしまうのかどうなのか。私にはそれほど悪くはない現状と,とても楽観的な展望が開けているように思えるのだけれど・・・。

3 件のコメント:

fylgia さんのコメント...

こんばんは。部外者の書き込みお許しください。先生のブログのタイトル"Variation and Selection"は進化論からでしたか。なるほど!!私の頭には音楽のことしかないので、また音楽用語的?に使っておられるのかと思ってました。OEDで"variation"という言葉を調べてみると、ありました!!第10項目Biol.1859.Darwin org.と。
進化論のアイディア発表は1958年7月1日ではなく、1858年ですね。私の生まれるずーっとずーっと前ですよね。

Toshi さんのコメント...

fylgiaさん
まさかこんなブログに書き込みをして下さる方がいるなんて,ありがとうございます。コメントが遅くなってしまったのは,たった今気づいたからです。

Variation and selectionというのは,もちろんDarwinのことでもあるのですが,私が立つ行動分析学の基本理念でもあるからなのです。そして,私のこの言葉に対する思いは,DarwinよりもむしろSkinnerへのイメージに立脚するものなのです。Skinnerは変異と選択を3つの水準で仮定しています。Darwinのように種の進化の過程に関わるものはそのひとつです。もうあと2つが何であるか? ちょっと調べてみて下さい。

fylgia さんのコメント...

調べました。natural selection,the evolution of operant conditioning,
the evolution of culture ですか?
cultureとは?文化ですか?あまり私にはピンとこないので、Skinnerの本「科学と人間行動」を読むことにしました。27章と28章に詳しく書かれてあって今読んでいます。