2007年10月11日木曜日

学習心理学Ⅱ@松蔭 第3回 (10月11日)

今年度春から学習心理学Ⅰ・Ⅱと通年で担当させていただいている授業。自宅から近いだけでなく,たまたま現在親和で学習心理学の授業がないだけに,やりがいのある授業である。当初の予定では,前期に2つの条件づけの基礎過程を終えて,後期は応用編だったのだけれど,数回分遅れて前々回のオリエンテーション(前期試験のフィードバックを含む),前回の三項強化随伴性に続いてきょうは刺激性制御。

これまでできるだけ,基礎実験の話を避けてきた。人間の日常的な行動を例に挙げて,学習心理学が私たちの身近なことを説明する学問であることを伝えようと考えていたためである。こうした授業の進め方については議論があるだろうが,これについては別のところ(もうじき出版される)でまとめているで,ここでは省略。

それでも,刺激性制御の話をするなら,継時弁別,同時弁別,行動対比,無誤弁別学習,般化と概念などといった内容は不可欠である。もちろんこれらについても,日常例で進めることは可能だったのかもしれないが,きょうはハトの実験例で授業を進めてみた。

これまでのスタンスと大きな隔たりがあったためなのだろうが,難しかったというリアクションペーパーが多かった。さらには,学習心理学が今受けている授業の中で一番難しいという記述もあった。日頃から,簡単なことを難しく説明するのが得意であると半ば自虐的に話してはいるものの,こうした反応はやはり厳しい。幸い来週からはふたたび日常例だけで進められそうなテーマが続くのだけれど。

しかし,学習心理学は難しいというイメージを植え付けてしまっていることについては反省しきりである。さりとて,どうすれぱよいのかについても十分に手だてが思いつかないのも現状なのだけれど・・・。

それでも少し楽観的でいられるのは,前回の弁別行動のところで,日常例を書くようにお願いしたところ,たくさんの面白い例を書いてくれたこと。言葉として十分に理解して誰かに説明することができなくても,これだけ面白い,しかも妥当な例が挙がるというのはそれなり以上に理解している証拠と思えるためである。ちなみに,そうした例は,きょうの授業でフィードバックした。フィードバックのファイルはここから
きょうの授業で用いたパワーポイントのファイルはここからダウンロードできます。

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