2007年10月3日水曜日

就職活動と卒業論文

私はいわゆる就職活動をしたことがない。もちろん,大学に就職するに当たっては,いくつもいくつもいくつもいくつも応募して,その回数マイナス1回失敗してきた。
ここではもちろんそんな話でなく,最近話題になった文部科学省による、「原則4月」と定めている大学の入学時期について、年内にも完全に自由化されたことと関連する話である。

4回生のゼミは運営が難しい。就職活動と重なるためである。いきおい学生ひとりひとりと授業時間外に会うことになる。

私は原則として9月入学・9月卒業に賛成である。高校3年生の3学期が授業が成立しにくい以上に,大学4回生の授業は成立しにくい。下手をすると3回生の後半から就職活動に気持ちが移ってしまう学生も少なくないだろう。9月入学・9月卒業(実際はおそらく6月卒業になるだろうが)のシステムにすれば,大学入試はすべて4月から6月の間に実施し,大学生の就職活動は翌年の4月入社に向けて卒業後から始めればよい。少なくともきちんとした授業を高校でも大学でもしようとすればこれで問題はなくなる。

これまた最近のニュースに,受験勉強を全くしたことがない大学生が相当数いるという話があった。親和でもそうだけれど,様々な入試形態が採られるようになったこともその一因だろう。もし高校を卒業するまで行き先としての大学が決まっていなければ,おちおち遊んでばかりはいられない。4月から始まる試験に向けて今よりはよほど勉強する高校生(卒業生)は増えるのではないだろうか。

もちろん,この考えにも問題がないわけではない。格差が広がる一方であるという社会情勢の中で(実際,年収1,000万円以上の割合と200万円以下の割合が増えているという),大学の学費を支払うのは,多くの家庭にとって決して楽なことではない。その上,高卒後半年間,大卒後9ヶ月もの間,文字通り「無所属」で過ごすというのは,家計への影響だけでなく,様々な問題を引き起こす危険性も考えられる。空白の1年(プラス3ヶ月?)の過ごし方は,前首相がのんびりと「ボランティアでもさせたらいい」というわけにはいかないのだろう。

それでも,きょうもまた4回生のゼミが成立しなかったことを思うと,また学生たちの真面目な就職にかける姿勢と卒業研究との板挟みになっている状況を思うと,決してこのままでいいとは思えないのも事実なのである。

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