2007年10月30日火曜日

心理学研究法 第5回 (10月29日)

1週遅れの研究法。研究の全体的な流れが分かってもらえればそれで十分。おそらくは日常的な疑問や学問的な啓発によって擡げる疑問に対する回答を得るために,何をどのようにするのかということが研究なのである。

授業で話していないことも当然(と言うと怒る学生がいるかもしれない)あって,ここで話すことはごく一般的な研究の流れである。ときどき「天才」もしくは「鬼才」とか何とか(どう呼ばれるかは結果に依存するわけだが)がいるのだろう,それこそ,仮説を立てるときに検証可能かどうかなど考慮しているように見えないこともある。今流行っているのかどうなのか,クオリアなんていうのは典型のように見える。

あるいはこんなこともあった。昔大学院生でネズミの実験を毎日やっていたころ,ある先輩(行動の基礎過程を動物でなくヒトの枠組みで行おうとしていた)から,「お前らはいいよな,俺たちは実験のパラダイムそのものから考えていかなければならないからな」と言われたことがあった。前述のクオリアなんていうのとは次元が異なる話だけれど,それまでのパラダイムに乗っかっていき,その枠組みの中でわかることを研究していくのでなく,枠組みが存在しないところで何かをわかっていこうとすると,まずはその枠組み自体(卑近な例だと,オペランダムに何を選択するか,何を強化子にするかといった具体的なもの)を探っていく必要がある。

ちょうど,科学研究費申請の学内締切が昨日だった。今までたぶん誰もやっていない研究パラダイムを考えたつもりなのだけれど,さてうまくいけばいいけれど。

ファイルはいつものところにアップしてあります。

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