2007年11月23日金曜日

間歇強化


昨日に続いてきょうも出張授業。今回はもともと心理学に関心がある生徒が集まっていて,ずっと楽しい時間になった。心理学はどうしても臨床心理学のイメージが強く,しかも,一般の高校生が感じている範囲を考えれば,実際の臨床のうちの一部に限定されてしまいがちである。高校での出張授業で一番伝えたいことは,何より心理学が面白い学問であることなのだけれど,なぜ面白いかと言えば,人間のあらゆる側面に関わる可能性のある学問だからなのである。多方面に亘る応用の一つである臨床は言うに及ばず,基礎領域はその導入から興味深い現象は数多く,さらにその広さと深さは果てしがない。一時期に比べると心理学を志す高校生の数が減りつつあるようだが,心理学の実際の姿を見てもらえれば,最も学びたい学問のひとつになってくれると楽観している。なんて書くと学長から「甘い」というつっこみが入りそうだけれど・・・。

きょうはこの授業に続いて,4つの高校を訪問した。親和の現状の説明と12月23日の受験生を対象としたウィンターキャンパスの紹介が主目的である。今年度はこれまでにも40校くらい訪問させていただいているのだが,高校によっても,また先生によっても対応は様々である。きょうの1校目はたまたまご担当の授業直前になってしまい,早く帰ってくれというけんもほろろの対応だった。

体調もさほどすぐれないような日だと,このような対応があると,もう帰ってしまおうかという気になってしまうのだが,頑張って訪問したその後の3校ではいずれも楽しい時間となった。結構な坂を登ったところにある高校でも,峠を越えてかなり車を走らせたところにある高校でも,またそこからの戻りがけの高校でも(ここは4時半ころになっていた),とてもきちんとこちらの話に耳を傾けてくださり,また貴重なご意見を伺うこともできた。こうしたことがあるからこそ,高校訪問そのものが楽しめる仕事になる。文字通りの間歇強化である。そして忘れずに付け加えれば,同じ簡潔でも罰(弱化)が行動を抑制する力は間歇強化に比べるまでもなくごくわずかである。もちろん,こうした訪問によって,親和を進学先として考えてくれる高校生がひとりでも増えてくれればさらによいことは言うまでもない。

画像に上げているものは,模擬授業でも使っている自宅の近くにあるあるお宅の表札。行動分析学に基盤を置いている私にも,こうしたゲシュタルトのお話しも十分楽しめる。問題があればすぐに消します。

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